私の親から「中国人と結婚するのだけはヤメてくれ」と言われたことがあり、理由を聞くと「面倒だから」。「中国に行ったこともないし、中国語もできないで、中国人と話したこともないのに、どうして『面倒』って言い切れるの?」と聞いたら黙り込んだ。でも、同じような日本人って少なくないだろうな。
— 黒色中国 (@bci_) November 5, 2018
このツイートは特にバズったわけじゃないけど、特定の人達に「刺さった」みたいで、私自身前から気になっていたことなので、こちらでもう少し書いてみようと思う。
「中国のお見合いオバサン」に目をつけられやすい私
経緯的には、元々私が中国人の友人の家族から見合いを薦められたところからこの話は始まっている。
中国だとイトコのハトコみたいな関係でも一族としてのつながりが強く、親戚づきあいの裾野が三桁の単位になっていくのも珍しくない。そういうところには、未婚の親戚に相手を探すオバサンが必ずいて(なぜかオバサンなのだ)、私みたいに中国をほっつき歩いている未婚の日本人はしょっちゅう声を掛けられるのである。
一度は、友人でもなんでもない近所の人が、未婚の日本人がいると聞きつけて、いきなりお見合いを薦めにやってきたこともあった。そういうのはすぐに断ればいい。
ただ、ある程度深い付き合いをしている友人の親戚となると、無碍に断るのも失礼であるし、大体は親戚宅に誘われて、豪勢な食事を振る舞われたりして、その時に「見合い」の話が出る。
失礼にならないように、とりあえず話だけ聞いて、やんわりとその気がないことを示すのが難しい…というエピソードを私の親にしたところ、「中国人と結婚するのだけはヤメてくれ」という話になった…というわけである。
面倒なのは中国人だけではない
ツイートでも書いたけど、私自身が中国人を面倒な人達だと思っているが、突き詰めると人間というものが面倒なわけで、日本人も相当面倒なのである。ただ、生まれた時からの経験で、日本人は日本人の面倒さに慣れて、最適化されているから、普段は「面倒さ」があまり意識されないだけのことである。
ようするに、中国人の面倒さも慣れたら気にならない。習うより慣れろ、細かいことは気にするな、ヤバイことは逃げても追いかけて来る、いっそこちらから飛び込んでしまえ、相手よりも自分がヤバくなれ、油田の火事は爆弾で消せ…というのが私のポリシーである。
ただ、中国に行ったこともない、中国語もできない、中国人とロクに話したこともない…という人が、「中国人は面倒だ」と言い出すのには違和感がある。「オマエに何がわかる!」と言いたいし、その「中国人観」はどこから来たのかと問いたい。親に聞いてみると黙り込んだが、ちょっと考えてから「テレビでもそう伝えている」…と言い出した。
「日本人と結婚するのだけはヤメてくれ」と言われる日は遠くない
私が件のツイートをして間もなく、中国女子のアカウントから、付き合い始めたばかりの日本人彼氏の親から「ビザ狙いじゃないか」と疑いを掛けられている…というツイートがあった。先日、日本人の彼氏が出来たと喜びのツイートをしていたばかりなのに…無残なことである。
「中国人と結婚するのだけはヤメてくれ」
「中国人は面倒だから」
「あの中国女は、ビザが欲しくてウチの息子に近づいているんじゃないか」
そんな根拠もない偏見を重ねている内に、日本自身が面倒な国になっている。私が中国にいる時、周囲は中国人ばかりで日本人は自分一人だけど、そういう環境でたまに日本人と会うと「面倒な人たちだなぁ…」と感じることが珍しくない。風通しの悪い、フラットな関係が築けない…そりゃ偏見に凝り固まるわな…という人達が少なくない。
「日本人と結婚するのだけはヤメてくれ。アイツらは面倒だから。中国のビザが欲しくて近づいているんじゃないか」…と言われるようになる日はそう遠くないように思う。そのようになる時、「日本人は面倒」というのは根拠のある正しい認識だろう。現在の日本は、すでに無根拠の偏見がかなり浸透した社会なのである。

中国人と結婚した人たちのリアル: そのさきにあるのは天国か地獄か
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