去年、知り合った学者さんから、こういう剽窃癖のある学者がいることを知った。
— 黒色中国 (@bci_) 2024年12月27日
他人が話していることを聞いている内に、それが自分のアイデアで、ずっと前から考えていたことだと錯覚するらしい。だから、本人には悪気がない、と。
話すだけ無駄なので放置するしかないらしい。 https://t.co/C5qvPo7uog
学者の坂本慎一さんが、大学院時代に自分のアイデアが教員に剽窃されたとのツイートがバズっていたのですが、それを見て私も「似たような人」を思い出したので、書いたのが上掲のツイートです。
すると、たくさんの人から、似たような体験が送られてきたので、私のエピソードの詳細も交えて、参考までこちらにまとめておきます。
【目次】
遠い眼差しのスフィンクス
去年、色々あって、やたらと学者とお会いする機会があった。どんな分野の学者だったのかは伏せておく。
あるシンポジウムに参加した時に、近くの席に異様な雰囲気を醸し出す学者さんがいた。そのディティールも、ここでは伏せておく。その筋では有名な人らしいので、何かと差し支えもあろう。仮にX氏としておく。
異様というのは、主にその目線で、X氏は目の前の人と話すのでも、まるで遠くの、宇宙の果てを眺めるような遠い目をするのだ。相手を見ているようで、相手の目を見てない。真正面から正対して立ちはだかり、相手の心の奥を見透かすような、遠い眼差しで、鋭い質問を、明瞭に聞こえるようにゆっくりと、まるで神から預言を授かったかのような神妙さ面持ちで、投げかけてくる。
一旦質問されると、逃げることができない。明確な答えが返ってくるまで、ずっと瞬きもせずに相手をじっと見つづけている。目は見てない。ずっと相手の心を奥に目線を合わせて微動だにしない。単に質問しているだけなのだが、詰問されているようであり、なぞなぞに答えない旅人を殺して食らうスフィンクスのようでもある。私は横で聞いているだけなのだが、まるで私が責められているように緊張を感じつつ、そばで成り行きを見ていた。
* * * * *
後日、そのシンポジウムで発表をしていた学者さんと会った際に、X氏の話が出た。
「壇上からX先生が会場にいるのを見た時は、ホント緊張しました」
「私も以前からお噂は伺っていたので、本人がそばに座っているのを知って驚きましたが、確かに緊張しますねw」
「X先生のブログを見られましたか?」
「あ、X先生はブログをされていたのでしたか?気づきませんでした」
「会場に来られた時に嫌な予感がしたのですが…その後投稿されたブログ記事に、あのシンポジウムでの発表の内容を自分が考えたことのように書かれていたのですよ」
「え?そうなんですか?」
「X先生は毎回なので。だから会場に来られた時に、またか…と思いましたが、ブログを見たらやっぱりそうでした。」
「でも、パクリとかはマズイでしょう。よくやられるということは今まで注意したことはなかったのですか?」
「X先生は、あの通りで…ちょっと怖い感じだから直接的には言いにくいのですが、以前それとなく話したことがあったのですね。でも、本人は全然パクった自覚がなく、ずっと前から自分はそう考えていた…と思い込んでいて、全然悪気がないんです。今回のシンポジウムでの発表内容は、未公開の資料なども含めて、それぞれの研究者が初めて公開したものなので、X先生がずっと前から知っていた、そう考えていた…ということはありえないのですけどね」
「でも、本人には自覚も悪気もない…?」
「どうやら、他人の話を聞いて、それを自分の頭の中で咀嚼している内に、以前から自分が考えていたことと結びつけて、ずっと前からそう考えていた…自分も気づいていた…同意見だ…みたいに錯覚されるらしんです。いくら説明をしてもわかってもらえないので、放置しているのですが…」
他人と自分の考えの区別がつかなくなる人
学者の世界で、そういうタイプの人間は、私はX氏しか知らないのだが、よく考えてみると、自分の周囲にもそういう人はいた。会社とか学校でもいたように思う。すると、冒頭のツイートに対し、私と同様の経験がある人からのリプライが次々に送られてきたので、こちらにも紹介しておきます。
学会や特許の世界だとシビアですが、ビジネス上の会話ではよくあります。俺がずっと言っていた通りになった、とか。
— 世光 (@ZHUSHIGUANG) 2024年12月27日
自分は雰囲気重視で聞き流すことが多いけど、それが言えて人の功績を自分の手柄にする人が、出世しているケースは多いと想います。
そういう人は聴いた話一例、直接会った人一例あります。頭の構造がそういう風になってるのか、悪気の有無ではないから呆れます。
— 八月 (@9awe5) 2024年12月27日
アイデア出ししてても、こちらがいいアイデア出すと乗っかって来て自分が出したみたいに奪い取るの上手い人いますよね。まぁ距離置きますよね。
— ケースクエーク (@chucknorrisuke) 2024年12月27日
うちの職場でもいますね。まあ、見てりゃ分かるので、あーまたですね、はいはいって扱いだけど。
— アリーゼ🐸リリーシェ@DQ10・原神 (@los_mmind) 2024年12月27日
大企業の上司に沢山いる💼
— かどかど(火土火土) (@kado_kado_ginza) 2024年12月27日
個別ミーティングの時に「なんかアイディアないか?」とか言って聞き出して、自分の上司にまるで自分のアイディアのように提案しちゃう奴。
恥知らず😩
一種の境界線知能というか、時系列ごと他人と自分の境界線を認識出来ないタイプの人間ですね👀
— 極度∞怪談(してます)やねうら🧬TV@cryptoきくうし (@TV65377118) 2024年12月27日
いままさにそういうタイプの反ワクオバサンに絡まれてます
まぁとにかく自分の間違いを認めないし、まともに文章が読めない
1+1=2 という「仮定と結果」の、1の部分だけ読んで真顔で「結果は1だ(#… https://t.co/M2bQkM4n9Y
「他人が話していることを聞いている内に、それが自分のアイデアで、ずっと前から考えていたことだと錯覚するらしい。だから、本人には悪気がない」
— さ く さ こ@癒し系。「悩みの8割は栄養不足が原因」出版予定(嘘 (@vitamin_mega) 2024年12月27日
こういう人よくいるんだよ!
本人の中ではすり替わってしまっているので気をつけないといけない人。
自覚できない。 https://t.co/9hbn1LFODW
剽窃とはずれるが私の周りには、「人から聴いたアイデアを即実行して翌週には情報元人に自分発の思考とそれに伴う行動としてシェアしてくる人」が周りの高学閥高学歴層(東大東工大修士博士など)に相当な割合でいて、恐らく視覚優位で試験突破力は高いが聴覚情報処理記憶能力が低すぎる事が原因だと予想… https://t.co/lQHS7FHdn8
— KIKO (@kiko_earth) 2024年12月27日
ウチの母がそのタイプで、会話が成り立たない時がある。
— もんた💉 (@monta987) 2024年12月27日
私の意見に対して「私は前からそう言っている。あなたは今頃気付いたのか」みたいな態度で接してくる。
「いや貴女、前は逆のこと言ってましたよね」と指摘するとキレられるし、こっちが嘘つき呼ばわりされる。 https://t.co/GWYwhoIvOU
だから、この手の「自他の考えの区別がつかなくなる人」は、学者だけに限らず、広く存在する人間の型の1つみたいですね。
今のところ、私は他人にアイデアを盗まれて困るようなことはないものの、気をつけたいと思いました。
皆さんの参考になれば幸いです。リプライをお送りいただいた皆さん、ありがとうございました🙇