長らくバックパックでの旅をしてきましたが、最近は仕事での旅も増えてきて、そうなると問題になってくるのが「カバン」です。
スーツケースは、何度か使いましたけど、プロテックスのように頑丈なものでなければ、どれも数回使うと取っ手やキャリーバー(3段階ぐらいで伸縮するアレです)、キャスター(車輪)などが壊れてしまいました。旅先でキャスターが壊れたスーツケースほど忌まわしいものはありません。
▲ちなみに「プロテックス」とはこんなもの。頑丈すぎて、普通に使っていれば壊れることはほぼ皆無。但し、重くて大きいので、LCCを利用するような気軽な旅には不向きです。
なので、私はスーツケースというものには好感を持っていないものの、スーツを着てバックパックというのも困ったものです。夏のバックパックは暑苦しく、肩に重みがズシッと来るし、背中の通気性が悪くなりますので。
それと、バックパックだと、出張先で荷物を預けている間に、簡単に開けられて、中身を盗まれてしまいます。
そこで、スーツケースの必要が出てきたわけですが、いざ購入のために選定を始めると、これがなかなか大変なことがわかりました。
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世の中には同様のことについてお悩みの人も多そうなので、参考まで私のスーツケース選びにおける悩みの数々を、こちらに記録して置こうと思います。
【目次】
- 1:ファスナー式は簡単に盗まれる
- 2:重さと大きさの問題
- 3:2つの「機内持ち込みサイズ」と「コインロッカーサイズ」
- 4:日乃本錠前のキャスター
- 5:PC7000-MINI
- PC7000-SSを選ばなかった理由
- 技術の進歩で、荷物が少なく軽くなった
1:ファスナー式は簡単に盗まれる
当初、頑丈で安価なスーツケースを探していたので、「無印良品のスーツケースが良い」と知り(ググって下さい。そういう情報はたくさん出てきます)、すっかり購入する気になっていました。
【YOUTUBE】『ファスナー式スーツケースが盗難に狙われる理由』 https://t.co/WyKeSVmJME※ボールペン1本でこんなに簡単に開けられて、しかも簡単に元に戻せるとは思いませんでした…
— 黒色中国 (@bci_) 2017年7月22日
▲ところが、この動画を見て、ファスナー式の購入は大変不安になってしまいました。
中国のホテルに宿泊した際などには、勿論カバンには鍵をかけ、持ち去られないようにワイヤーで家具などに固定していますが、ファスナー式のスーツケースが、ボールペン1本でこんなに簡単に開けられてしまうとは…。
▲無印良品のスーツケースはアルミのものを除くと、全てファスナー式になります。
だから、フレーム式のものでなければいけない…と考えるようになりました。
2:重さと大きさの問題
スーツケースが壊れやすい原因の1つとして、飛行機で預け荷物にした際に、乱暴に扱われるから…というのがあります。
飛行機でなくても、中国でタクシーを乗る際、運転手が気を使ってくれて、トランクルームにカバンを入れようとして不注意に扱い、取っ手がもげたり(泣)、キャリーバーが壊れたり(大泣)することもあります。
だから、スーツケースは他人に触らせない、自分で持ち運びするのを基本と考えるべきで、そうすると機内持ち込みサイズがベスト…ということになります。
それと、荷物が軽くなれば、スーツケースの取っ手や可動部分への負荷も小さくなるので、壊れる可能性も低くなるわけです。スーツケースのサイズは色々あれども、取っ手や可動部分などの耐久度がそれほど大きく変化するとは思えませんので。
そうすると、スーツケースは機内持ち込みサイズ以下で、中の荷物が少量・軽量になるほど、破損のリスクは避けられる…ということになります。
これで…
- ファスナー式はNG。フレーム式が前提
- 機内持ち込みサイズ以下
…という条件が見えてきました。
▲ファスナー式とフレーム式の違いについては、こちらのサイトで分かりやすく説明されています。
3:2つの「機内持ち込みサイズ」と「コインロッカーサイズ」
機内持ち込みサイズは大きく分けて2つあり、
- 座席数100席以上の機内持ち込みサイズ
(三辺の和が115cm以内) - 座席数100席未満の機内持ち込みサイズ
(三辺の和が100cm以内)
…となります。航空会社によっても微妙に違うようですが
▲プロテカの公式サイトの説明がわかりやすいです。
国内線の100席未満の機体に乗る人なら、100cm以内で収まるスーツケースを確保しておく必要があります。
サイズについてはもう1つ押さえておきたいポイントがありまして、標準サイズのコインロッカーに入るかどうかが快適な旅を実現するか否かの重要な分かれ目になります。
旅先でどうしてもスーツケースを預けておきたいけど、コインロッカーがない。標準サイズのコインロッカーは空いているけど、そこには自分のスーツケースが入らない、大きなサイズのコインロッカーの空きがない、もしくはそもそも設置されていない、人が管理している「手荷物一時預かり」に預けるしかない(不安)…みたいな状況を今まで何度も体験してきました。
コインロッカーのサイズは各社微妙に違うようですけど
▲購入前にこういうサイトを参考にして、コインロッカーに収まりそうなサイズの確認しておくのがベストです。
私の場合、バックパッカーとして長らくやってきたので、荷物を最小限に抑えるのはそれほど苦ではありません。
ただ、機内持ち込みサイズ&標準サイズのコインロッカーにも入る小さなスーツケースで、フレーム式で…となるとかなり選択肢は限られてしまいます。
私の周囲のリアルの店舗では見つけられませんでしたので、ネットで探すことにしました。
4:日乃本錠前のキャスター
スーツケースの部品で壊れやすいのはキャスター(車輪)で、これが旅行中に壊れると致命的なダメージになります。
キャリーバーが壊れたら取っ手を持って引けばいい。取っ手が壊れたら別の箇所を持てばいい。でも、キャスターが壊れたらスーツケースを転がすのは不可能。持ち上げて運ぶしかありません。
前述の「無印良品のスーツケース」は、旧型と新型があり、旧型が頑丈さで名を馳せ、有名になったわけですが、ネットでググってみると、「日乃本錠前」のキャスターを採用というのが非常に高評価だったようです。
▲こちら、日乃本錠前さんの公式サイトですが、こちらのキャスターには「HINOMOTO Japan」と文字が入っているのですね。
そこで、上掲の選定条件に加えて、「日乃本錠前」のキャスターを採用している製品を探すことになりました。
5:PC7000-MINI
色々悩んだ結果(この結論まで3日間ぐらい費やしました)…
- フレーム式
- 国際線機内持ち込みサイズ(三辺の和が115cm以内)で小さいコインロッカーにも入る
- 日乃本錠前のキャスターを採用
…という条件になりましたが、これらに適合するスーツケースは多くありません。
やっと見つけたのが「グリフィンランド」というブランドのPC7000シリーズでした。
▲商品の解説は楽天の方が詳しいです。
PC7000は全部で7サイズありますけど、アマゾンではキャスターについての解説がMINI(最小のもの)ではありませんでした。MINIだけ仕様違いでキャスターは日乃本錠前じゃないかも…と心配しましたが、
▲購入してみると、ちゃんと「HINOMOTO Japan」でした!
こちらの商品、現在は楽天の方で安く買えるようになっています。
まだ持ち出して使っていないのですが、とりあえず現物を細かく確認した感想を述べさせていただくと…
PC7000-MINIの良いところ
- 52×34.5×20cm=合計106.5cm
- 高級感はないが、安っぽさはそれほどない。
- 容量25リットルだけど、実際に見ると大きい。数日間の旅行や、あまり大荷物を持たなくても良いタイプの旅行なら、これで十分。
- 「ポリカーボン」なる素材がどんなものかは不明ですが、かなり頑丈そうです。
- 2つのロックも蝶番もしっかりしている。
- 大きめのコーナープロテクトもしっかりしており、衝撃からスーツケースを守ってくれそう
- キャスターの動きもスムーズ。
- とにかく安い(とは言え1万円近いのですが)。
安物ながら、基本をしっかり押さえたスーツケースに思いました。
PC7000-MINIの良くないところ
- キャリーバーを伸ばす時に、左右の伸び方が均一ではない。一旦全部伸ばして、それから戻して高さ調整をするようにしないとダメ。
▲こちら販売元に確認したところ、こういう「仕様」だそうです。 - キャスターを4輪接地させて動かす場合には問題ないが、キャリーバーを伸ばした状態でスーツケースを斜めに傾けて2輪で動かそうとすると、2つのキャスターの向きが上手く合わずに「ピタッ」と止まって動かせなくなる。
▲少々向きを変えたりしてやると、「スイッ」と動き出すようになります。これも「仕様」だそうです。 - PC7000シリーズは、他のサイズだと表面加工がエンボスのものがあるけど、MINIは光沢しかない(本当はエンボスが欲しかった)。
有名ブランドのスーツケースだと、3年保証になってたり、修理対応もしっかりしているようですが、とにかく高い。修理費も高い。なので、ポイントを押さえている優れた廉価品を使って、壊れたら修理せずに新規購入…というのがベストじゃないかと思いました。
PC7000-SSを選ばなかった理由
私の場合、国内線に乗ることはほぼなく、国際線の利用が多いため、三辺の和115cm以内という条件で考えれば、PC7000-SS(計114.5cm)でも良かったんですけど、
- 小さいコインロッカーに入らない。
▲上掲の最小のコインロッカーのサイズより大きい - 航空会社にもよりますが、LCCだと機内持ち込みの荷物と手回り品で合計10kgという制限があったりするので、機内持ち込みのギリギリ最大サイズ(三辺の和が115cm)のスーツケースを選んでしまうと、何かと詰め込んで、すぐに10kgオーバーになりそう。
だったら、無理に制限ギリギリの最大サイズを狙う必要もないか…と思ったわけです。
技術の進歩で、荷物が少なく軽くなった
昔だと、重い14インチのノートPC(光学ドライブもついていたりする…しかもACアダプタが大きかった)を旅行に持っていったりしてましたが、今はタブレット1枚とか、スマホしか持っていかないことも多く、本もアマゾンキンドルしか持っていきませんから、持ち物が大幅にコンパクトになりました。
服は速乾性で洗濯すればすぐ乾くので着替えが少なくて済むし、ブリーフは紙製の使い捨て。目覚まし時計はスマホがあるから必要ないし、カメラもスマホで済ますことが多いです。
昔は辞書を持って旅に出ましたが、最近はスマホで調べられるので、電子辞書も持ち歩かなくなりました。ウォークマンも要らなくなったし、分厚い旅行ガイドブックも不要になりました。
そうやって、技術の進歩で必要な荷物がどんどん少なくなったので、短期間の旅行なら、容量25リットルのスーツケース+手回り品を入れる容量10リットル程度のバッグでも十分なのですね。
とりあえずしばらくは、この25リットルの小型スーツケースを使いこんで、短期間の旅で必要なものが、コンパクトに収まる方法を探ってみようと思います。